ちょっと痛くしてあげて、他のとこ縛ってもいいよ、と忍は主の耳元で囁いた。

「さ、さささ佐助、これはどういう・・・!」

幸村はうろたえて耳朶まで真っ赤にしながら顔を伏せて叫んだ。心臓がだんだんと地団駄を踏むように打ち鳴っているのがわかる。当然のことだ。眼前には想い人が見たこともない姿で横たわっている。目は潤み頬は淡く上気して桜色、藍の着物の裾ははしたなく肌蹴られ、根元から白い足が晒されている。その足の指は一組赤い紐でくくってあり、幸村は鬱血した指先を見てそこが結んである理由を探るよりもすぐにそれを解こうとした。が、佐助に止められ先の言葉を告げられたのである。
はくはくと驚きと混乱のあまり酸欠の魚のように口を開閉している幸村に、更に佐助は語りかける。その間政宗はといえば眼光だけ鋭く二人を睨みつけてはいるが体は動かそうとしない。手は自由になるはずであるのに、逃げようとか殴ろうとか拘束(実にささやかな)を解こうともしない。

「独眼竜の旦那、気持ちよくしてあげなよ。」
「き、き、きもち・・・?」
「まあ旦那にはまだちょっと濃いよねえ。でもどうせならもっと喜んで欲しいじゃな〜い。」
「な、なな、なに、がだ!」
「・・・喋りすぎだ、テメエ。」

ようやくここにきて始めて口を開いた政宗を佐助はさもおかしそうに笑って見返し、それからその膝を乱暴に掴んで開かせた。拍子に飛んだぅあ!という小さな叫びが幸村の体を強張らせる。だが目の前にひろげられた光景はそのまま彼を硬直させた。政宗の何もつけていない下半身の中心は、確かに勃ちあがっていた。流石の幸村もそれがどういうことかがわからないほど幼くはなく、だからこそ余計に意味がわからずに政宗殿、と掠れた声で名を呼んだ。

「縛ってちょっと意地悪言っただけなのに。もー俺ビックリだよ独眼竜の旦那。
俺、あんたは人を苛めて愉しむ質なんだと思ってたからさ。」

そう言いながら次の行為への期待なのか不安なのか、肌を触れ合っていなければわからないほど微かに震える政宗の下生えをつまんでひっぱると、細腰がくんと跳ねた。
ほらね、再び笑う佐助を幸村は寝起きの子供のように見ている。

「政宗殿は・・・痛いのが好きなのか?」

どちらへというわけでもなく尋ねると、政宗が非難めいた顔で口を開いたが言葉にはならず、結局佐助が肯定した。

「痛いっていうか苛められるっていうか、つまるところ、支配されてみたいんでしょ。」

最後は政宗への念押しのように聞こえた。そして懐から薬を塗って刺す時に使う細い針を取り出すと、二人に見せ付けるように行灯の光に閃かせてから―

「あ、ぁっ、や、うあ、ぁあああああ!」
「佐助!」

政宗の徐々に大きくなる悲痛な喘ぎと幸村の切迫した一声が響いたのは同時だった。

20060804